近所に響き渡る母の怒鳴り声
専業主婦である私の母は、日々よく怒っていました。
とても早口で、近所に響き渡る大声で。
毎日毎日、1日たりとも怒鳴り声を上げない日はありませんでした。
母は、結婚こそが人生最大の失敗で、結婚で人生を狂わされたと思っているので、結婚する前は、こんなに怒鳴ったりしなかったのかもしれません。
子供たちに言うことをきかす手段は、基本的に脅しです。
「そんな事したら、バシバシにいくで!」
これが口癖でした。
本人は、(今から考えると)そんなにきついつもりはなかったのかもしれません。
確かに「バシバシにいくで!」と言われた回数よりも本当に叩かれた回数の方が、ずっと少なかったと思います。
それでも"バシバシ"はとっても怖くて、私はいつも怯えていました。
母にぎゅっと抱きしめられたと言うような記憶はありませんし、お膝の上で絵本を読んでもらったと言うような記憶もありません。
おそらく、あまり子供が好きと言うわけではなかったんだと思います。
(本人は「子どもが可愛くない人なんていない」と否定しますが。)
いっしょに遊んでもらった記憶は、本当に数えられる程しかなく、いつも掃除や家事で忙しそうにしては、おこっていました。
私が小学生になる頃、新築の一戸建てに引っ越しましたが、やはり毎日最低でも1度は、怒鳴り声を上げていました。
私は、高校生ぐらいから家を出る大学院生の初めぐらいまで密かにカウントをしていましたが、怒鳴り声を1度もあげない日はありませんでした。
小さい頃にはただただ怯えるだけでしたが、私も大きくなってくると、
「どうしてこの程度のことでそこまで大声を張り上げなければいけないのか?」
と、母親への反感を募らせていました。
時には
「怒鳴り声を1日でもあげない日は無いよね」
なんて軽い口調で指摘してみたりしたのですが、全く響いていないようでした。
さて、母はどんなことに怒っていたのでしょうか?
8割程度は、家を汚されたことへの不満です。
スリッパを履かずに床に足をついてしまった。
つけものをテーブルの上に落としてしまったのが見つかった。
箸を落とした。
などです。
でもこの程度なら、ちょっと大声を張り上げる程度で済みます。
お茶や、味噌汁など汁物をこぼした時には、かなり怒り狂い、叩かれます。
「叩く手が痛い!」と言って布団叩きで叩かれたこともあります。
さて私は学校で問題児だったので、宿題を完璧にやっていた日はほとんどありません。
毎日、先生に怒られましたが、そのことを母に怒られた事はありません。
勉強しなさいと言われたことも、ほとんどありません。高校生になって、髪の毛を染めたいと言った時も一緒に染めてくれました。
子ども自身のことにはそれほど興味が無かったんだと思います。
完全に覚えているわけではありませんが、
どなり声の残りの2割は夫婦喧嘩だったと思います。
ということで、このブログに書いてみて、初めて気付いたのですが、母のあんなにこわかった毎日毎日の怒鳴り声は、ほとんどが潔癖症に起因するものだったのです。
潔癖関連以外の怒りはもっと普通の怒り方だったと思います。
いや、そんな事無かったようにも思いますが、、、実家にいた頃は、もっとよく覚えていたと思いますが、嫌な事はとにかく忘れたかったので、あんまり詳細には思い出せません。
このブログで、全て吐き出したいと思っているのに残念です。